歯科医院経営者レポート2011年11月号
利を惑わす拝金・拝物主義
利を惑わす拝金・拝物主義
古から利は智を損なう、といわれている。利を求め過ぎる(拝金主義)と判断が鈍り、物事の【理】が分から なくなる。理は【正す・整える・治める】という意で、道理・義理・原理というように、【道理をわきまえず、義理を踏み外し、原理原則を心得ない】と物事を正せなくなって整わなくなり、最後には経営も人性も治まらなく
なる。
人間としての本質的要素が徳性、付属的要素が才知技能。徳性とは神道的には【心が明るい・清い・汚れがない・敬愛心・報恩心・精進・忍耐】等をいい、日々の習慣に徳性の習熟度が表現され、運命に甚大な影響を与えていく。
時代の潮目が変わった
人間は死に向かって生きているということを忘れがちだが、死を覚醒することで生きている今を尊び感謝して人性を愛する。自己の人性に感謝できる人は、身の回りや家族、そして両親祖父母にも感謝できる。安 寧堕落な人性を歩んでいる院長は、自己の人性を尊ぶこともできないし感謝心も抱けない。経営も同様で、感謝心を見失ったら成り立たなくなる。今を大切にすることで健康経営を尊び未来像を敬う。
楽も苦も生きている証左となるが、平時(平和)が長く続くと平時を常識と受け止め、有事への対応を疎かにする、ということを教えるのが、日本政府と東京電力の原子力発電への災禍の対応。常に有事に備えておくのが、トップというか院長の任務でもある。平時にのんべんだらりと過ごし、有事に【想定外でした】というのは経営者として失格の烙印が押される。
世の中は常に変転していくものであり、常に臨戦態勢でなければならない。人間の性質として病気になって初めて健康に感謝するが、健康時には健康を常識と受け止め健康に感謝しない。健康時ほど養性(生活習慣含め)を疎かにしてはならない。【喉元過ぎれば熱さ忘れる】といわれるように、人間の性質として辛い・痛い思いも過ぎてしまえば忘れがちになる。
【初心忘るべからず】といわれるが、開業時の大志あるいは心配・不安も順境経営に転じる頃にはコロッと忘れてしまう。それが後年に経営を病ませる真因になるとは予測しない。故に臨床に投資をせず因循姑息(古い習慣に親しみ、その場をしのごうとする・ぐずぐずして決断力に欠ける)な生活に慣れ親しむ人は自ら人性を病ませる。
立冬は冬の到来を教える節目でもある。厄年辺りが心身機能の変質する節目であるように、あらゆるエネ ルギーには節目がある。海水が満潮から干潮、あるいは干潮から満潮に変わる如く、社会エネルギーや人性や経営にも大きく流れが変わる節目がある。
世の中を甘く見たり、利欲に目が眩み節操や節度を見失っていると節目辺りから悪運に転じたり、逆に節目を上手く捉えると幸運に転じていく場合もある。3月の震災以降、明らかに世の中の風潮が変わった。人性の生き方が変わったという見方もできる。
(以下略)

