歯科医院経営者レポート2010年7月号
年金制度は崩壊する、しない?
年金制度は崩壊する、しない?
乱世(春秋時代)を生きた孔子は、そこから興亡の原理を学び【道徳が乱れている国は、必然的に風俗も 乱れやがて没落していく】と警告している。繁栄を謳歌しながら風俗が乱れている日本社会は、没落に向か
っている事を示唆する。
この道理は経営(家庭)にも当てはまり、院長(家長)の乱心が院内(家庭)の風俗の乱れを引き起こす。 風俗の乱れは思想の乱れ、すなわち経営観や人性観の乱れとなり経営(家庭)が立ちゆかなくなる。つまり
「院長の道徳の乱れ」が全ての根源にあるということ。社会生活を正しく送る決まり事が道徳で、己が規制 する心の法律。
☆予防診療の実態
診療体制に予防診療を取り込んでいると、患者一人当たりの1ヶ月の保険点数が1,200点前後に収まるが、そうでない場合は1,500点以上に跳ね上がり集団指導の対象となる。運が悪いと個別指導となる可能性も否定できない。
仏教に【冷暖自知】という教えがあり、何事も経験しないと深く認識できない、あるいは経験してこそ冷たい、暖かいという認識ができるという意。個別指導を受けた院長や、その後に保険医取消しとなった院長から相談を受けたことがあるが、その恐ろしさや精神的ダメージ、後遺症というものは経験してみないと分からない。結論として言えることはお上に逆らってはならない、個別指導を受けるような保険請求をしてはならないということ。とはいっても経営環境が悪化してくると【理性と欲望】が葛藤しストレスに苛まれ、結果的に欲望に負けて不正・架空請求に手を染めていく。悪いと分かってはいるが止められない、というのが不正請求等の根源。
集患の要が予防診療にあることは度々述べてきたが、裏を返せば予防を担当する衛生士の有無および衛生士業務のレベルを語らずして、医院経営も語れない時代に入ってきたといえる。各県歯科医師会が公表した昨年度の経営総合調査によれば、衛生士を雇用している医院が半数強と徐々に増えてきており、喜ばしい現象と受け止めているが、その分雇用する事が非常に難しくなってきている。
家庭に眠っている衛生士をパートとして有効活用しようと試みる医院が徐々に増えてきているが、悲しいかな即戦力の衛生士はなかなか見つからないというのが実態で、需要と供給のバランスが調和される目途は立っていない。
三十代半ばの某院長が、【我々は予防診療の初歩である鎌形スケーラーを使いこなすのが関の山であり、知識としての予防は知っているが実務経験に乏しく、とても衛生士を一人前には育成できない】
と本音を語っていた。
予防診療が常識と思われる年代の院長の嘆きにプラスして、日本歯科医師会会員の平均年齢が五十歳を越えている実状を鑑みると、多くの院長は衛生士を育成するノウハウを身に付けていない、衛生士を一人前に育てられない、という実態が浮かび上がってくる。だから医院に勤務する衛生士自身も自分の衛生士業務や予防レベルがどの辺りにあるのか分からず、松竹梅の梅であっても松と認識している方が少なくない。そうなると、経験年数を頼りに竹や松の給与を要求してくる、というミスマッチが生じる。
(以下略)

