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歯科医院経営者レポート2009年9月号
親子継承の真は不易流行にあり

親子継承の真は不易流行にあり

紀元前に書かれた世界最古の医学書【素門】に、人間のあらゆる疾患の最大要因は【怒りにあり】と書かれている。平常な心理状態の時に吐く息の滓は【無色】、恥じらいや後悔の時には【淡紅色】、怒っている時は【栗色】といわれる。1時間の憤怒や憎悪は、数十人の人間を殺すに足りる猛毒(滓)を発生させ、その毒気を体内に鬱積させて自家中毒(ガン等)を招き入れる。
怨みの悪感情は、心身の健康に悪影響をおよぼすばかりか、恵まれている幸福さえも味わえない。我欲強欲を根底に物事を固定観念で捉えると、悪感情に心身が支配される。

☆親子継承は苦難の道

シャッター街という言葉が物語っているが、全国の旧商店街で閑古鳥が鳴き、一方では新バイパス沿いの郊外型小売業等は活況という二極化が進んでいる。シャッター街は車社会に対応できていないことが要因だが、根本的には社会的価値観の変化に適応できていないことが要因として挙げられる。

時代は創造進化の連続で成り立っており、経済社会では進化に適応できない個人事業主・企業・診療所・病院等は消滅の対象となる。過酷であり残忍だが素直に受け容れるしかない。古より【創業守成】という諺があり、創業は意外と安易だが、それを守りながら継続的に成長させていくのは至難という格言。

歯科医院も誰でも安易に開業できるが、その後の経営が成功するか否かは神のみぞ知る?ではな く、個々の院長の技量と努力に委ねられる。開業後20年以上経過した50代以上の院長の多くが経営環境の悪果に見舞われているように、順境経営を継続していくのは至難。伝統というか古き良きものは【守】りながら、時代に合わないものは新しいものに変えて経営を【成】していく、これが創業守成の真意。

医療の伝統は仁術に基づくが、何時の時代も継続的に事業を発展させていくのはとても難しく、まして骨肉の関係に情がまとわりつく親子継承となると至難を極める。経済社会というか身の回りを見渡していただきたい。安易に子弟に事業を継承させたが故に、倒産した破綻したという事例は無数に転がっている。

親の意見を尊重するのが親孝行といわれるが、親の意見を尊重し過ぎた事業内容では社会の価値的変化に取り残され、とても食えないし経営も成り立たない。一般経済社会(個人事業主含め)でも時代に取り残された家業を、子弟が継がない割合が毎年多くなっている、ということを教訓にすると量から質、治療から予防といった医療の価値的変化が激しい歯科医院の親子継承はとても難しい、と筆者は受け止めている。

同様に夫婦関係も様変わりし、その昔は風呂・飯・寝るだけの亭主関白でも通用したが、今や男女平等や個人主義を尊ぶものであり、夫婦の在り方も共同・協同生活者というふうに切り変わってきている。年代も違えば人性観も夫婦観も違うということを浮き彫りにしているが、これは親子継承にも当てはまり、親子で診療思想が違うのは当たり前なのだが、まだまだそれを受け容れようとしない親御(院長)さんが多い。(以下親御さん)

今現在の親御さんのレセプト件数や診療収入が医院の社会的評価となるが、親御さんの陳腐化した診療思想で育てられた子弟は、往々にして臨床家としても院長としても育ちが悪く使い物にならない場合が多い。

(以下略)

 

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