歯科医院経営者レポート2007年10月号
あらゆる病の根源は歪みにあり
あらゆる病の根源は歪みにあり
臨床や経営、そして人間性や人性にも当てはまる問題だが、学べばまなぶほど己の無知というか浅学非才を諭され、向上心に燃える志士(院長)ほど己を省みて謙虚になり、学ぶことの大切さを自覚する。人間には、その日そのひをとりとめもなく過ごして満足している人と、逆に今の自分に満足せず、自己に多くの要求を課し、あえて困難な問題(道)に取り組む志士がいる。前者を大衆および百姓といい、後者をエリートという。真の指導者は謙虚で利己心が無く、己の利害欲望に心が汚されない。故に私(私利私欲)ではなく公(社会貢献)に尽くす、という経営観や人性観を抱く。
☆衰退医院(企業)の特徴
歯科界の経営の二極化がいわれて久しいが、そこにはしかと因果応報の原理が働き、結果として盛衰がもたらされている。先月号の巻頭でその人の心が極楽をつくり地獄をつくると述べたが、栄枯・盛衰も突き詰めていけば経営者の心の在り方に行きつき、歯科医院経営に当てはめれば【院長の心構え気構え】が根源となっている。
2004年1月号のレポートの養書で、倒産企業の特徴を取り上げている【失敗に学ぶ経営者ハンドブック~致知出版社・野口誠一】を紹介させていただいたが、これは院長の人性および歯科医院経営にも当てはまる。意の一番に経営者の傲慢と能力過信を取り上げているが、傲慢になると側近や良友の忠言忠告が耳に入らなくなる。唯我独尊の経営で継続的に成長していく企業は存在しない。才能の才はわずかという意であり、人間(経営者)一人の能力や知恵というものは浅学であり、一時的に隆盛がもたらされたからといって自己の能力を過信し自惚れてはならない。
スタッフの総力を結集して担うのが経営の真髄であり、素養のあるスタッフの能力を開発して人財に育て上げて、有効活用していくのが院長の役割。そこには人間性や器量度量が物言うことになり、経営者の人間性を養う意義もここにある。悲しいかな、このような認識を抱く院長は少ない。
二番目が社員教育の不備となっている。多くの院長はスタッフ教育に不熱心という特徴があり、図書研究費にスタッフ教育も含まれるという自覚もない。スタッフの接客・接遇レベルの低さを嘆くが、院長のレベルがスタッフのレベルであり、スタッフのレベルが低いということは院長のレベルも低いということを表現しているようなもの。スタッフを批判する以前に、無学な自分自身を批判しなければ報われない。スタッフを教育し、教化して正しく導いていくのが院長(経営者)です。
三番目に事業の目的や目標の欠如となっているが、それを明確にするのが診療理念であり経営理念となる。何のために自院が存在するのかを明確にするのが理念であり、理念に基づくことでスタッフの位置づけも明確になり、明確になればヤル気も出てくる。ただただ診療して給与を払えば良い、という経営観ではスタッフのヤル気は引き出せない。
四番目が環境変化への適応力不足で、五番目が新製品の欠如や技術開発不足となっているが、歯科界の二極化の根本的原因がここにあるといっても過言ではない。
(以下略)

