歯科医院経営者レポート2007年5月号
経営の総論
経営の総論
子弟教育は因果応報の原理が働き、ナポレオン(1769~1821年)は【子供の将来の運命は、その母の努力に全てが委ねられる】といい、和魂洋才を説いた福沢諭吉は【家庭は習慣(道徳・・躾)の学校なり、父母は習慣の教師なり】と言い残し、又、一人の偉大な父親は百人の校長にも勝る存在と言われるように、両親は子供の人性に甚大な影響をおよぼす。
江戸時代の大教育者・吉田松陰は【学ぶとは人を学ぶなり】と述べ、学問は人間としての人格形成に役立てるために学ぶ、と断じている。敗戦後の学校教育は功利の学問、すなわち就職・金・地位等だけを得ることを目的とし家庭教育を疎かにしてきた。因果として家庭環境や社会風俗が乱れ、道徳も尊ばれなくなった。
☆経営の総論シリーズ(1)
経営を知らずして歯科医院経営を語る時代は過ぎました。当分の間、経営の在り方というか総論を続けていきますので、参考にしていただきたい。
経営は規模の大小あるいは業種にかかわらず、原理原則というか基本原理があり、歯科医院経営といえども何等変わらない。一般経済社会の成功あるいは失敗事例が非常に参考になるもので、ダイエーや三洋電機等が何故破綻したのかは、親子継承等の参考になる。理由は明白であり、経営者が【経営の原理原則】をねじ曲げて担っていこうとしたから、経営エネルギーが酸化して経営環境が悪化し、やがて疲労して破綻に導かれた。
ダイエーも三洋電機(創業者は経営の神様・松下幸之助の義弟)も経営者として相応しくない子弟を、無理矢理、後継者に仕立て上げようとして破綻を招いた。事業の親子継承ほど難しいものはない。近代の経済社会の歴史がその事を教えているが、その多くは二代目か三代目で没落している。
世の中の社会的価値観が激しく変わる維新期ほど、栄枯盛衰が顕著になってくる。紀元前から賢い両親は我が子を賢人に預け、そこで教育してもらった。ここから教育がはじまったように、親子というものは骨肉の関係であり、相互の思惑や情念が複雑に絡み合い、偉大な創業者・経営者であっても我が子を一人前の経営者に育て上げられない、ということを人類の歴史は教えている。
基本的に親は我が子を一人前に育てられない。可愛い我が子には辛い旅をさせるのが非情ではなく親の愛情となる。多くの経営者は手元で我が子を育てようとして失敗する。
経営というものは面白いもので必ず一時的に隆盛がもたらされる。この一過性の隆盛を未来永劫に続くという過信というか自惚れに、経営破綻という落とし穴が待ち受ける。
歯科医院経営においても開業後の数年および十数年前後は順調に歩めるが、それ以降だんだんと衰退していくように、継続的に発展させていくことは非常に難しい。
何故衰退していくのか?継続的に発展させていくためには、先ずは経営の指標というか目標となるものを掲げなければならない。社会貢献を根底に、何のために経営を営んでいるのかをスタッフや社会に明確に掲げなければならない。
(以下略)

