歯科医院経営者レポート2007年4月号
孫子の兵法に経営を学ぶ
孫子の兵法に経営を学ぶ
昨今の淘汰と整理の戦国時代と、右肩上がりに成長してきた平安時代では、おのずと経営の在り方も人性観も違ってくる。NHKで戦国時代の名将・武田信玄(軍師・山本勘助)を放映している。おおいに教訓となり参考になる。
武田軍の軍旗は紀元前の孫子の兵法から学んだ【風林火山】。これは戦いの行動規範を示し、【その疾(はや)きこと「風」のごとく、その除(しず)かなること「林」のごとく、侵掠(しんりゃく)すること「火」のごとく、動かざること「山」のごとく・・・】。行動する時は疾風の如く、対陣は林のように静かにかまえ、攻撃は燃え盛る火の如く戦い、時には敵の動向を探るために山の如く微動だにせず、という意になる。
☆スタッフの定期昇級に疑問符
卒業の季節ですが、人性は変化と進化の繰り返し、すなわち創造発展という真実から眺めれば、歯科大学・技工士・衛生士学校等の卒業は、生業を大成させるための出発点となる。生涯学び続けることが人性の宿命であり、ライセンス取得はライセンスを人性に活かす登竜門にすぎない。卒業してから如何なる人性観、すなわち向上心を抱いて働くのか、そうでないのかによって、その人の人性のあらかたが決まる。
バブル経済期の社会的常識が非常識になったように、常識も時代と共に移り変わっていく。同様に社会的価値観も変わっていく。敗戦以降、勤続年数や年功序列等で給与等が決まり、毎年の定期昇給およびボーナス支給は常識と受け止められていた。しかし、何事も作用と副作用ありで、この制度には落とし穴があり、ヤル気のある人もヤル気の無い人もあまり差を生じさせない制度であった。
いわゆる結果の平等主義で、ヤル気の無い人にとっては良き制度だが、ヤル気があり向上心のある人にとっては報われない制度であった。
今や経済社会はある程度の成果・評価主義が常識的であり、今後は【結果の平等主義から機会の平等主義】に制度が変わっていく。そうしなければ高コスト体質の日本社会そのものが生き残れない。各組合が存在価値をアピールする春闘相場も、亡霊の如く世の中から忘れ去られようとしているように、今後は個々の力量技量を考慮し、そして貢献度によって、それぞれの処遇が決まってくる。
評価主義がある程度常識的となってくると、給与は毎年上がるという常識も非常識になり、下がることも常識となる。自己のレベル向上に真剣に取り組んでいかないと、未来展望が開けてこなくなる。社会や企業にぶら下がる輩を、社会も企業も必要としなくなる。努力もせず人並みの待遇を要求しても誰も聞く耳を持たない。持たないばかりか非常識人とみなされる。
今や歯科界も経営環境の二極化時代は過ぎ去り、貧富の差が目立つようになってきた。破壊エネルギーは想像以上で、戦国時代に突入しており、院長およびスタッフ全体の力量技量を磨いていかなければ生き残りは難しい。それぞれの立場において自己を磨きレベルアップを心掛けていただきたい。
(以下略)

